A.障害とは
日本では「障害者とは,身体障害,知的障害,精神障害(発達障害を含む)その他の心身の機能の障害があるものであって,障害および社会的障壁(事物,制度,慣行,観念等)により継続的に日常生活又は社会生活に相当な制限を受ける状態にある者をいう」(改正障害者基本法,2011年)と定義されている.
一方,1980年に国連で採択された「国際障害者行動計画」では,障害について医学レベルでの「機能障害」,生活レベルでの「能力障害」,社会レベルでの「社会的不利」の3つの概念で障害を規定している.また障害者差別解消法(2016年)では,社会的障壁を「障害がある者にとって日常生活又は社会的生活を営む上で障壁となるような社会における事物,制度,慣行,観念等その他一切のものをいう」としている.
B.障害の程度
ICF(International Classification of Functioning,Disability and Health)分類は「国際生活機能分類」と訳され,人間の生活機能と障害に関する状況を示すための分類である.健康状態,心身機能,身体構造,活動と参加,環境因子,個人因子から構成されている.ICFの特徴は,環境因子や背景因子の視点を取り入れるとともに構成要素間の相互作用を重視していることである.また「参加の制約」に焦点を当て,診断名などではなく生活のなかでの困難さに注目している.
C.治療(療育と介入)
障害児の治療は,しばしば「療育」や「介入」とよばれる.発達に遅れのある子どもに対し,生活面での不自由さをなくすために行われる幅広い意味での医療と教育を療育と呼んでいる.一方,介入という言葉は,療育に比べて社会制度などを含んだ幅広く包括的な意味合いが強い.
最近では,身体的な問題だけではなく自閉スペクトラム症などの神経学的障害に対するプログラム(ニューロリハビリテーショ