診療支援
治療

ハイリスク新生児搬送
transport of high risk infant
大木 茂
(聖隷浜松病院総合周産期母子医療センター・センター長)

 本項ではヘリコプターなどによる空路搬送ではなく,酸素ボンベを搭載した一般的な救急車を使った陸路での新生児搬送に焦点を絞って述べる.

 新生児が陸路搬送される状況は,下記などが考えられる.

 a)自宅分娩児に対する行政救急車による新生児救急搬送

 b)一般分娩施設で発生したハイリスク児の専門施設への搬送(三角搬送含む)

 c)児の状態安定に伴う専門施設から地元施設への戻り搬送

 d)さまざまな理由による転院,施設間搬送

 日常的に新生児搬送を行っているチームでは適応や運用などのマニュアルはすでに整備されているので,搬送に不慣れな施設で留意すべき点をあげる.

A.新生児搬送の適応

 NICUなどの新生児専従看護単位をもたず,チームとして安定した新生児管理を提供できない施設においては,以下のようなケースは搬送を考慮する.

 a)呼吸障害が遷延する児,酸素継続投与が必要な児

 b)仮死児

 c)輸液管理を必要とする児

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