●病態
・腎機能低下により,乏尿や体液過剰,呼吸循環障害,電解質・酸塩基平衡の異常,高窒素血症などさまざまな病態をきたす疾患が腎不全である.新生児期の腎機能低下は,急性腎障害(AKI:acute kidney injury)や慢性腎臓病の初期症状として認められるが,新生児期に両者を鑑別することは困難である.
・新生児腎不全の原因として,①循環血液量の減少や循環不全により腎血流量の低下をきたす腎前性,②腎実質の障害や先天的な腎形態異常による腎性,③尿路の閉塞や排尿障害に伴う腎後性があげられる.
・診断は血清クレアチニン(Cr)値や尿量を指標にした,新生児修正KDIGO診断基準と重症度分類〔AKI(急性腎障害)診療ガイドライン作成委員会(編):AKI(急性腎障害)診療ガイドライン2016.p73,表3〕を参考にする.
●治療方針
呼吸循環動態など全身状態の管理,原因に対する治療が基本である.さらに病態