●病態
・ゴナドトロピン(LH/FSH)の分泌不全による低ゴナドトロピン性性腺機能低下症に無(低)嗅覚症を伴う場合に,Kallmann(カルマン)症候群と診断する.
・男児では小陰茎・停留精巣を伴いうる.男女ともに2次性徴の未発来や進行停止が問題となり,重症度に幅がある.
・ANOS1,FGFR1など,20以上の責任遺伝子が知られている.
●治療方針
男児では,乳幼児期に小陰茎,停留精巣に対する治療を行う.無(低)嗅覚症に対する治療は存在しない.男女ともに思春期時期に2次性徴の誘導・維持を行う.
A.男児の小陰茎に対して(生後3~6か月頃)
Px処方例
エナルモンデポー薬注 1回25mg 4週ごとに1~3回 筋注
B.男児の思春期の誘導・維持
Px処方例 ➊➋のいずれか,または➋➌を併用する.➋は血中テストステロン値が成人基準値内になるように量を調整する.
➊エナルモンデポー薬注 1回12.5mg 筋注 4週
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