診療支援
治療

筋型糖原病
glycogen storage disease of muscle
石垣景子
(東京女子医科大学小児科学・准教授)

●病態

・先天的な解糖系の酵素欠損により,ATPの産生不全,非代謝物質の蓄積,ほかの代謝系への影響などから骨格筋症状をきたす疾患である.

・筋型糖原病としては,現在0型からXV型糖原病とホスホグリセリン酸キナーゼ(PGK:phosphoglycerate kinase)欠損症の14病型が報告され,固定性の筋力低下を主症状とするⅡ,Ⅲ,Ⅳ,Ⅻ,XV型と,労作時の筋痛,筋硬直,横紋筋融解を主体とする0,Ⅲ,Ⅴ,Ⅶ,Ⅷ(Ⅸ),Ⅹ,Ⅺ,Ⅻ,ⅩⅢ,XIV型,PGK欠損症に分けられる.

・クレアチンキナーゼ(CK)値が運動により急激に上昇し,安静により正常値または軽度高値を示す.好気性前腕運動負荷試験は有効な鑑別方法で,Ⅱ型以外は乳酸値が上昇しない.筋生検,酵素活性測定をもとに,遺伝学的検査で確定する.

・Ⅴ型(McArdle病)は,運動負荷により,運動不耐,筋痛,筋硬直,横紋筋融解が引き起こされる.6~8分

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