●病態
・シスチン尿症は腎臓の近位尿細管,小腸上皮でのL-シスチンおよび二塩基性アミノ酸の吸収障害によってもたらされる遺伝性尿細管輸送異常症である.
・2万人に1人の頻度で発症する.再発性の結石形成を特徴とし,尿路結石の1~2%を占める.通常10~30歳で発症といわれているが,乳幼児でも発症しうる.
・症状は血尿,腹痛,腰背部痛,尿路感染症状が中心である.
・診断は家族歴,尿路結石,尿中アミノ酸分析によるシスチン排泄増加の確認で行う(血中のシスチン値は正常).尿沈渣で黄褐色の六方晶を呈するシスチン結晶を認める.
・遺伝性やシスチン排泄量でⅠ~Ⅲ型に分類されるが,近年はSLC3A1やSLC7A9など原因遺伝子が判明するに伴い,新たな分類も提唱されている.
●治療方針
尿中シスチン濃度を低下させるために十分な水分摂取を行う(特に尿pHがより酸性に傾く夜間が重要).尿pH7.4以上のアルカリ化を目標に結石溶
関連リンク
- 治療薬マニュアル2024/(合剤)クエン酸カリウム・クエン酸ナトリウム水和物《ウラリット》
- 治療薬マニュアル2024/アセタゾラミド《ダイアモックス》
- 治療薬マニュアル2024/チオプロニン《チオラ》
- 治療薬マニュアル2024/ペニシラミン《メタルカプターゼ》
- 治療薬マニュアル2024/カプトプリル《カプトリル》
- 今日の治療指針2024年版/同種薬の特徴と使い分け─高尿酸血症治療薬
- 臨床検査データブック 2023-2024/尿中シュウ酸 [保] 200点
- 臨床検査データブック 2023-2024/結石分析 [保] 117点
- 臨床検査データブック 2023-2024/腎・尿路結石症
- 新臨床内科学 第10版/(1)高尿酸血症
- 新臨床内科学 第10版/5 尿生化学
- 今日の小児治療指針 第17版/腎性尿崩症
- 今日の小児治療指針 第17版/尿路結石