●病態
・ペルオキシソームは極長鎖脂肪酸のβ酸化,プラズマローゲンの生合成,コレステロールの胆汁酸への変換などに関与し,その形成と機能の障害はペルオキシソーム病とよばれる重篤な疾患の原因となる.
・ペルオキシソーム形成異常症と酵素蛋白質の遺伝子変異による単一酵素異常症に分類される.
・重篤度は,ペルオキシソーム形成や機能にかかわる蛋白質の役割と,変異蛋白質に残存する活性の程度に依存している.
●治療方針
根本的な治療法はなく対症療法が主である.軽症例では代謝異常に応じた補充療法や食事制限,臓器移植が有効な例もある.なお「副腎白質ジストロフィー」については前項参照のこと.
A.ペルオキシソーム形成異常症
出生直後より筋緊張低下,哺乳障害,けいれんなどがみられる.対症療法が中心となる.軽症の乳幼児Refsum(レフサム)病では,プラズマローゲンやDHA(ドコサヘキサエン酸)の補充療法やフィタン酸を含む食