●病態
・副甲状腺機能低下症は,副甲状腺ホルモン(PTH)の作用低下により,低カルシウム(Ca)血症,高リン(P)血症をきたす疾患である.本疾患は,PTH分泌低下およびPTH抵抗性に大別される.通常,低Ca血症時,PTH分泌不全であればPTH低値を呈し,PTH抵抗性ではPTH高値となる.成人では術後の副甲状腺機能低下症が多いが,小児では副甲状腺の発生や機能に関与する遺伝子異常に起因するものが多い.
・PTH分泌低下,分泌閾値の低下(PTH低値):22q11.2欠失症候群(TBX1),HDR症候群(GATA3),ほかの遺伝子異常(TBCE,GCM2,PTH,CASR),低マグネシウム血症など.
・PTH抵抗性(PTH高値):偽性副甲状腺機能低下症(GNAS),ほかの遺伝子異常(PTHR1,PDE4D,PRKAR1A)など.
●治療方針
低Ca血症に伴う症状の消失と血清Ca値(正常下限)の維持を目指す
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