診療支援
治療

1型糖尿病
type 1 diabetes mellitus
浦上達彦
(日本大学小児科学・診療教授)

●病態

・1型糖尿病は,膵β細胞の破壊による内因性インスリン不足により発症し,通常は絶対的なインスリン欠乏に陥る.

・診断では,インスリン分泌の低下~欠乏(空腹時C-ペプチド値<0.6ng/mLあるいはグルカゴン負荷後のC-ペプチド頂値<1.0ng/mL未満,24時間尿中C-ペプチド値<20mg)と膵島特異的自己抗体(GAD抗体,IA-2抗体など)の検出が有力な指標になる.

●治療方針

 治療の基本はインスリン療法であり,多くの症例は頻回インスリン注射療法あるいは持続皮下インスリン注入療法(CSII:continuous subcutaneous insulin infusion)による基礎-追加インスリン療法で治療される.

A.頻回インスリン注射療法

 各食前に追加インスリンを注射し,1日1~2回基礎インスリンを注射する.追加インスリンには超速効型インスリン,基礎インスリンには持効型溶解インスリンが

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