治療のポイント
・子どもは成長段階にあるため,体重を減らすのではなく肥満度を減らすことに着目し,過剰に蓄積した内臓脂肪を減少させて肥満に伴う合併症の数や程度を減少させることを治療目標とする.
・治療の基本は食事療法,運動療法,行動療法となり,悪しき生活習慣を是正して,よき生活習慣の獲得を目指す.
・そのためには親のみでなく,祖父母を含めた家族の協力がきわめて重要となる.
●病態
・小児肥満症とは,肥満に起因ないし関連する健康障害を合併するか,その合併が予測される場合(過剰な内臓脂肪蓄積がある)で,医学的に肥満を軽減する必要がある状態をいう.
・主な健康障害としては,高血圧,睡眠時無呼吸などの換気障害,2型糖尿病・耐糖能障害,内臓脂肪型肥満,非アルコール性脂肪性肝疾患,脂質異常症,高尿酸血症などがある.
・小児メタボリックシンドロームの診断はウエスト周囲長≧80cm(小学生では≧75cm),またはウエスト