診療支援
治療

ウイルス性胃腸炎
viral gastroenteritis
大石智洋
(川崎医科大学小児科学・准教授)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

[感]感染性胃腸炎:5類

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

●病態

・ウイルス性胃腸炎は,その原因として,小児ではロタウイルスやノロウイルスなどがあげられる.

・細菌性腸炎の特徴である明らかな血便や強い腹痛などの有無や,周囲の流行状況を把握することが重要である.

●治療方針

 まず重要なのは,脱水の重症度を評価することである.具体的には体重の3%未満の喪失を軽度,体重の3~9%以下の喪失を中等度,体重の9%を超える喪失を重症とするが,実際は体重が不明なこともあるため,精神状態,口渇,心拍数,呼吸数,流涙の有無,口腔や舌の乾燥の有無,皮膚のツルゴール,毛細血管充満時間,四肢冷感の有無,尿量異常の有無などをチェックする(これらの所見に異常がなければ軽度である).

 重度の脱水や,重

関連リンク

この記事は医学書院IDユーザー(会員)限定です。登録すると続きをお読みいただけます。

ログイン
icon up
あなたは医療従事者ですか?