診療支援
治療

カンピロバクター感染症
Campylobacter infection
青木知信
(西福岡病院・理事)

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[感]感染性胃腸炎:5類

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●病態

A.感染性胃腸炎

・カンピロバクターによる急性腸管感染症でカンピロバクター・ジェジュニ(Campylobacter jejuni;95%以上)とカンピロバクター・コリ(C.coli;数%以下)がある.鶏肉を主とした食肉汚染は多く,食中毒原因菌である.潜伏期間は2~5日である.

・無症候性に経過することもあり,多くは軽症のまま経過する.主症状は下痢,腹痛,発熱,悪心,嘔吐など,血便を伴うことも多い.

・細菌性胃腸炎の原因菌としては最も多く,食中毒の統計でも事件数では1位,患者数では1~2位を占める.

・食中毒事例としては5~7月が最も多いが年間を通して発生し,冬期にも発生している.

B.新生児敗血症・髄膜炎

C.fetusで起こる.非常にまれ.

C.ギラン・バレー(Guillain-Barré)症候群

C.jejuni感染症の合併症としてまれに起こる.自己免疫機構による末梢神経障害で,胃腸炎発症後1~3週間後に起こる.

●治療方針

A.感染性胃腸炎

 軽症例が多く自然治癒傾向がある疾患で,対症療法が中心となり,脱水に対して水分補給,輸液,食事療法を行う.止痢薬は使用しない.

 乳幼児や一部の免疫不全者を除き予後は良好で,抗菌薬は必要ない.有効な抗菌薬投与で排菌期間の短縮ができる.抗菌薬を投与する場合はマクロライド系を用いることが勧められる.ニューキノロン系は耐性菌が増加しており,使用には注意が必要である.セフェム系には自然耐性を示す.

Px処方例 下記のいずれかの使用を考慮する.

➊クラリスドライシロップ小児用またはクラリシッド・ドライシロップ小児用 1回7.5mg/kg(成分量として) 1日2回(成人量1日

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