●病態
・急性細気管支炎は2歳以下の乳幼児で,呼気性喘鳴と多呼吸や陥没呼吸などの呼吸困難を生じる下気道疾患である.RSV(respiratory syncytial virus)は急性細気管支炎の原因の70~80%を占め,発症時期は冬季に多いとされてきたが,ここ数年は高温多湿の夏季にも流行している.
・RSVは主に接触感染によって気道内に侵入後,鼻咽腔に定着し,4~6日間の潜伏期間をおいて上気道炎を発病させる.乳幼児では,RSV感染症が下気道に波及しやすく,発症から数日後に細気管支へ及ぶと,呼気性喘鳴・多呼吸・陥没呼吸などの呼吸困難,チアノーゼが出現する.
・診断には,免疫クロマトグラフィ法による迅速診断検査(抗原検出キット)で病原体診断が可能である.胸部単純X線検査では,右中葉の無気肺,air trappingによる肺野の透過性亢進,横隔膜の平坦化などを認める.
●治療方針
年齢および疾患の重症