●病態
・ニューモシスチス肺炎(PCP)は真菌の一種であるPneumocystis jiroveciiによる日和見感染症である.
・細胞性免疫不全が背景として重要であり,HIV患者,原発性の細胞性免疫不全症,造血幹細胞移植(HSCT)後,造血器腫瘍の治療中や副腎皮質ステロイドを長期に投与中などに発症することが多い.一方,好中球減少は発症リスクにはならない.
・主要症状は発熱,乾性咳嗽,呼吸困難で,酸素化能により重症度を評価する.
・胸部X線像で両側びまん性のすりガラス様陰影を呈する.胸部CTは有用で,典型的所見は両側性のびまん性間質影であるが,肺葉性浸潤影や多発結節影などを呈することもある.
・血液検査では,CRPの上昇のほか,LDやKL-6の高値が認められ,重症度を反映する.β-D-グルカンも高値となりやすく,補助診断に有用である.
・確定診断は気管支肺胞洗浄液あるいは誘発喀痰での検鏡で菌体の確認で
関連リンク
- 治療薬マニュアル2024/(合剤)スルファメトキサゾール・トリメトプリム(ST合剤)《バクタ バクトラミン》
- 治療薬マニュアル2024/アトバコン《サムチレール》
- 治療薬マニュアル2024/ペンタミジンイセチオン酸塩《ベナンバックス》
- 治療薬マニュアル2024/(合剤)スルファメトキサゾール・トリメトプリム(ST合剤)《バクトラミン》
- 今日の治療指針2024年版/ダルナビル エタノール付加物・コビシスタット・エムトリシタビン/テノホビル アラフェナミド フマル酸塩
- 今日の治療指針2024年版/ネフローゼ症候群
- 今日の治療指針2024年版/心筋炎
- 今日の治療指針2024年版/けいれん
- 今日の救急治療指針 第2版/その他
- 今日の小児治療指針 第17版/小児のHIV感染症
- 今日の小児治療指針 第17版/レジオネラ症