診療支援
治療

ニューモシスチス肺炎
pneumocystis pneumonia(PCP)
福島啓太郎
(獨協医科大学小児科学・講師)

●病態

・ニューモシスチス肺炎(PCP)は真菌の一種であるPneumocystis jiroveciiによる日和見感染症である.

・細胞性免疫不全が背景として重要であり,HIV患者,原発性の細胞性免疫不全症,造血幹細胞移植(HSCT)後,造血器腫瘍の治療中や副腎皮質ステロイドを長期に投与中などに発症することが多い.一方,好中球減少は発症リスクにはならない.

・主要症状は発熱,乾性咳嗽,呼吸困難で,酸素化能により重症度を評価する.

・胸部X線像で両側びまん性のすりガラス様陰影を呈する.胸部CTは有用で,典型的所見は両側性のびまん性間質影であるが,肺葉性浸潤影や多発結節影などを呈することもある.

・血液検査では,CRPの上昇のほか,LDやKL-6の高値が認められ,重症度を反映する.β-D-グルカンも高値となりやすく,補助診断に有用である.

・確定診断は気管支肺胞洗浄液あるいは誘発喀痰での検鏡で菌体の確認で

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