●病態
・Sjögren(シェーグレン)症候群が最も代表的疾患であり,自己免疫機序に遺伝的素因,女性ホルモン,ウイルスなどの要因などがかかわって発症する.
・Sjögren症候群は,涙腺と唾液腺の慢性炎症性疾患であり,炎症性病変が全身の外分泌腺に波及し機能障害を呈する.
・鑑別にMikulicz(ミクリッツ)病を含むIgG4関連疾患と,反復性耳下腺炎,唾石症,サルコイドーシスなどがある.
・初診時の症状は,耳下腺腫脹>乾燥症状>関節症状>発熱・Raynaud(レイノー)症状とされる.
●治療方針
代表的疾患であるSjögren症候群の治療法を示す.口腔乾燥作用をもつ薬剤は中止し,下記の治療を選択する.
A.唾液の分泌促進として
シュガーレスガム,レモン,梅干などを勧める.セビメリン塩酸塩(サリグレン),ピロカルピン塩酸塩(サラジェン)が唾液分泌に有効であるが,小児適応はないため慎重投与が望まれる.気管