●病態
・食道の先天的な形成異常で,食道が盲端になったり食道と気管の間に瘻孔(気管食道瘻)を形成したりする.
・Gross(グロス)分類が広く用いられ,C型(85~90%)とA型(7~8%)がほとんどで,ほかのタイプは非常にまれである.C型食道閉鎖では上部食道は盲端に終わり,下部食道は気管と交通がみられる.A型食道閉鎖は上下食道ともに盲端となり食道と気管との交通はないが,上下食道盲端部の距離が長いlong gapのことが多い.E型(4~5%)はH型気管食道瘻とよばれ,食道閉鎖はなく気管食道瘻のみがある(図1図).
・症状は出生後は泡沫状流涎,嘔吐や唾液の誤嚥と気管食道瘻による肺炎,呼吸困難などがみられる.また胃管チューブが挿入できない.Gross C,D,E型では気管食道瘻を介して胃内に空気が流入するため,腹部膨満がみられるようになる.
●治療方針
唾液の誤嚥,気管食道瘻による肺炎,腹部膨満の予防