治療のポイント
・消化管全体にわたる病変の評価が必要であり,粘膜治癒を治療目標とする.
・寛解期における栄養療法の継続は,寛解維持に重要である.
・小児では成長障害の合併に留意する.
・本疾患を疑った場合には,すみやかに小児消化器専門医へ紹介する.
●病態
・Crohn(クローン)病は成因不明な炎症性腸疾患であり,病変は口腔から肛門までのすべての消化管に起こりうり,寛解再燃を繰り返す.潰瘍形成に伴う消化管穿孔や,腸管狭窄,瘻孔,腹腔内膿瘍などの消化管合併症以外にも,成長障害や関節炎,虹彩炎といった腸管外合併症をきたしうる.
・成因として,遺伝的要因と環境要因の両者が想定されているが,小児例では成人例に比べて難治例が多く,遺伝的要因が大きい可能性が指摘されている.
・わが国では「小児クローン病治療指針」(日本小児栄養消化器肝臓学会)と「潰瘍性大腸炎・クローン病 診断基準・治療指針」(厚生労働省研究班)が出さ
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