ポリープとは消化管内腔に突出した限局性の隆起性病変の総称であり,多発するものをポリポーシスとよぶ.下血を契機に発見されることが多いが,腸重積,肛門からのポリープ脱出,自然脱落などで発見されることもある.また多発例では,蛋白漏出性胃腸症を発症することがある.
A.若年性ポリープ
小児期に発生するポリープの9割を占め,幼児期に好発する.7割はS状結腸から直腸に発生し,多くは単発性である.有茎性から亜有茎性ポリープで,組織学的には炎症性肉芽腫に類似する間質と小嚢胞状の腺管からなる過誤腫と考えられている.癌化はまれである.
治療は,内視鏡下のポリープ摘除が原則である.直腸発生例では経肛門的摘除が可能なことがあるが,ポリポーシス除外のために全大腸の検索が必要である.
B.若年性ポリポーシス
胃から直腸までの全消化管に若年性ポリープが多発する.常染色体優性遺伝形式を示し,若年性ポリポーシス家系の9~50