診療支援
治療

大腸リンパ濾胞増殖症
nodular lymphoid hyperplasia of the colon
西澤拓哉
(群馬大学医学部附属病院小児科)

●病態

・大腸粘膜下のリンパ濾胞が何らかの抗原刺激因子によって増殖し,下部消化管内視鏡では大腸の広い範囲に直径5mm以下の隆起性の集合を認める.

・食物アレルギーや免疫不全症,ヘリコバクターピロリ菌やアデノウイルスなどの感染症との関連が報告されているが,病因や病態は不明である.

・好発年齢は3歳未満の乳幼児であり,線状もしくは点状の少量の血便(便とは区別できる新鮮血)を認めるときに本疾患を疑う.

・血便以外に下痢を伴うことが多く,まれに腹痛を起こすことがある.

●治療方針

 便性状から本疾患が強く疑われる場合,精査は不要であり,経過観察のみで自然に改善する.不機嫌や哺乳不良など全身状態の不良を示唆する所見がなく,体重増加が良好であれば治療は不要である.

 体重増加不良やその他の症状がみられる場合は,血液・生化学検査(白血球分画,総蛋白,アルブミン,肝機能,腎機能,電解質,CRP),免疫学的検査(IgG,

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