●病態
・腸管の筋間神経叢〔Auerbach(アウエルバッハ)plexus〕および粘膜下神経叢〔Meissner(マイスナー)plexus〕の神経節細胞(ganglion cell)が先天的に欠如する疾患.そのため別名aganglionosisともよばれる.5,000出生に1例,男女比は3:1.成熟児に多い.
・神経節細胞が欠如する無神経節腸管(aganglionic segment)が肛門から連続的に存在するのが特徴で,無神経節腸管は狭小化し,そこよりも近位の正常神経節腸管が拡張する.
・新生児期からの腹部膨満,胆汁性嘔吐などの下部消化管閉塞症状で発症することが多い.生後24時間以内に胎便が排泄されない症例(胎便排泄遅延)が90%にみられる.
・無神経節腸管が全結腸以上に達する場合は,回腸閉鎖に類似する新生児イレウス症状を呈する.
・持続する頑固な便秘で乳児期以降に発見される場合も多い.まれである