診療支援
治療

先天性胆道拡張症
congenital biliary dilatation(CBD)
眞田幸弘
(自治医科大学消化器一般移植外科・講師)

治療のポイント

・先天性胆道拡張症は,胆管癌の発生母地であるため,全例で手術適応となる.

・無症候性の新生児や乳児の場合は,待機的に手術を行うべきである.

・手術は胆嚢を含めた肝外胆管切除+Roux-en-Y肝管空腸吻合であり,膵内胆管の完全切除を行うべきである.

・嚢胞消化管吻合(内瘻術)は禁忌である.

・術後に胆管炎や肝内結石,遺残胆管癌を合併することがあり,生涯にわたってフォローアップしていく必要がある.

・「先天性胆道拡張症診断・治療ガイドライン」を参考に診療を進めていくべきである.

●病態

・先天性胆道拡張症(CBD)は,総胆管を含む肝外胆管が限局性に拡張する先天性の形成異常で,膵・胆管合流異常を合併するものをいう.ただし肝内胆管の拡張を伴う例もある.CBDの発生機序は解明されていない.

・日本膵・胆管合流異常研究会によって「先天性胆道拡張症の診断基準2015」が作成され,その後,厚生労働科学研究

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