●病態
・2013年に「小児慢性機能性便秘症診療ガイドライン」が作成された.その定義は,器質的疾患がなく,排便が週2回以下,または毎日出ていても硬い便や少量のコロコロ便で,毎回ではなくても排便時苦痛を伴うことが1か月以上前から(4歳以上では2か月以上前から)存在する場合をいう.
●治療方針
第一に,直腸に貯留した便塊を完全に除去し,再び便が貯留しないようにするために維持治療も同時に開始して,腸全体の蠕動運動を活発化させ自然に近い排便習慣を目指す.
A.貯留便除去
刺激性下剤が第1選択薬である.院内でグリセリン浣腸(1~1.5mL/kg)を施行し,反応便の排出までの時間,排便時の児の姿勢(立位排便や足をクロスさせるような「排便我慢ポーズ」がないか),便の性状,親子関係の様子を観察する.
排便後もまだ貯留便がありそうな場合は,テレミンソフト坐薬(体重15kgまでは2mg坐薬1回1本,それ以上は10mg坐薬を1回1/2本など適宜)を処方し,自宅で3~7日間連日使い便塊の完全除去を行う.坐薬を嫌がる幼児では,ラキソベロンを1~6歳1回4~7滴,7歳以上は1回10滴を毎晩服用させてもよいが,硬い便がまだある場合は腹痛を生じることがある.
B.維持治療
便塊除去と同時に,腸内容物全体を軟化させるために浸透圧性下剤も処方し服用を開始する.
Px処方例 下記の浸透圧性下剤は基本的にしばらくは服用を継続するので,液体か粉末か,甘みがいいか,児の好みに配慮し処方する.
(塩類下剤)
(➌は2018年11月保険適用の新薬.塩類下剤であるが,腸管内の電解質バランスを適切に維持するために電解質が配合されている)
➌モビコール薬配合内用剤 2~
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