診療支援
治療

末期腎不全
end-stage kidney disease(ESKD)
石倉健司
(北里大学小児科学・教授)

治療のポイント

・適切な時期に,腎代替療法に関して説明を行い,遅くともCKDステージ4(GFRが30mL/分/1.73m2未満)の時点で,専門施設に紹介する.

・透析を経ずに直接腎移植を選択する例(PEKT)が増え,現在おおよそ3割程度である.

・末期腎不全の重大な合併症として,成長障害,心血管障害,骨ミネラル代謝異常,腎性貧血があげられる.

●病態

・末期腎不全(ESKD)は慢性,かつ不可逆的に腎機能障害が進行した結果,生命維持のために腎代替療法(腹膜透析,血液透析,移植)が必要になった状態である.

・慢性腎臓病(CKD)のステージ5〔糸球体ろ過量(GFR)が15mL/分/1.73m2未満〕のことを指す場合もあるが,ステージ5でも必ずしも直ちに腎代替療法が必要とは限らず,本項では腎代替療法が必要になった状態のみを扱う.

・以下に示す,さまざまな尿毒症症状が出現する.

 a)腎機能に直接関連するもの:溢水

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