診療支援
治療

急性糸球体腎炎
acute glomerulonephritis
高橋弘典
(旭川厚生病院小児科・部長)

●病態

・急性に発症する血尿,蛋白尿,高血圧,腎機能低下,水やNaの貯留をきたす「急性腎炎症候群」の代表疾患である.

・通常,先行感染を認め,その多くがA群β溶血性レンサ球菌(GAS)感染に伴う溶連菌感染後急性糸球体腎炎(PSAGN:post-streptococcal AGN)である.GAS以外の細菌(黄色ブドウ球菌など)やウイルス,マイコプラズマなどの感染後に発症する場合もある.

・PSAGNはGASによる咽頭炎の1~2週間後,GASによる皮膚感染症の3~6週間後に発症する.上記症状のほかに,低補体血症,抗ストレプトリジンO抗体(ASO)の上昇を認め,組織像は管内増殖性糸球体腎炎を呈する.

・糸球体毛細血管内腔の狭小化によりろ過機能が低下し,溢水や電解質異常を呈することが基本病態である.

●治療方針

 多くの症例は自然軽快するため,支持療法が基本となる.

A.感染巣の除去

 診断時にGAS感染症が持続

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