治療のポイント
・乳幼児の尿路感染症の症状は非特異的であるため,尿路感染症を疑うことが大切である.
・バッグ採尿での尿検査の結果は,偽陽性も偽陰性も高く診断的意義は少ないため,カテーテル採尿を行う.
・桿菌にはセフェム系抗菌薬,球菌にはペニシリン系抗菌薬を選択する.
・尿路感染を反復する場合,起因菌が大腸菌以外で,超音波で異常所見がある場合は,膀胱尿管逆流の検索を行う.
・高度膀胱尿管逆流を有する乳幼児に対しては,抗菌薬の予防内服を行う.
●病態
・尿路感染症(UTI)は,尿路に細菌などの病原体が侵入し感染を起こす病態である.小児UTIは腎・尿管に感染し発熱を伴う上部UTI(急性腎盂腎炎)と膀胱・尿道に感染をきたすが発熱を伴わない下部UTI(膀胱炎,尿道炎)に大別される.臨床的に問題となるのは,腎実質傷害をきたす可能性のある上部UTIである.
・乳幼児は基礎疾患(膀胱尿管逆流,水腎症など)を有する複雑性U
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