●病態
・超音波検査やCT検査により容易に診断できる.単発性から多発性までさまざまで,多発性で家族歴のあるものは遺伝性疾患の可能性がある.
・常染色体優性多発性嚢胞腎(ADPKD:autosomal dominant PKD)と常染色体劣性多発性嚢胞腎(ARPKD:autosomal recessive PKD)については「エビデンスに基づく多発性嚢胞腎(PKD)診療ガイドライン2017」が刊行されている.
●治療方針
A.単純性腎嚢胞
腎実質に生じた嚢胞である.悪性所見(嚢胞の壁不整,不均一な内部構造など)や臨床症状(高血圧,尿管や腎被膜の圧排に伴う水腎症や腹痛)がなければ経過観察する.
B.多嚢胞性異形成腎(MCDK:multicystic dysplastic kidney)
発生過程において正常なネフロンが構築されず多発性嚢胞を生じる.無機能腎で超音波検査では大小さまざまな嚢胞を認め,嚢胞間