●病態
・包茎とは,包皮が亀頭を完全に被覆した状態で,亀頭が全く露出しない真性包茎と勃起時のみ露出する仮性包茎がある.
・出生時の男児のほとんどは真性包茎であり,成長とともに亀頭包皮間の癒着が剥がれ思春期には改善する.
・亀頭包皮炎とは,細菌による亀頭・包皮の炎症で,就学前男児に好発し,排尿時痛と包皮の発赤・腫脹を主訴とする.発症は外陰部の不衛生に起因する.
●治療方針
包茎は,本来治療不要であるが,以下の状況では治療を考慮する.
a)排尿障害〔バルーニング(排尿時の包皮の膨張)など〕
b)閉塞性乾燥性亀頭炎
c)亀頭包皮炎の反復
d)有熱性尿路感染症を生じうる疾患(膀胱尿管逆流症など)
e)勃起時疼痛や嵌頓包茎
まず保存療法を行い,無効例に手術療法を行う.
A.包茎の保存療法
包皮翻転とステロイド軟膏塗布を行う.包皮翻転は,包皮全体を陰茎根部へと押し下げ,狭い包皮輪に緊張をかけ伸展させる.外尿道口