●病態
・月経痛(月経困難症)は月経期間中に月経に伴って起こる病的症状である.症状としては下腹痛,腰痛が多いが,多彩な全身症状を併発することが多い.初経後6~12か月経過して以来周期が確立するころに発症することが多く,月経初日から2日目に強い.
・また,排卵性月経のときに疼痛が強く,痛みはけいれん様で周期的である.原因は頸管狭小やプロスタグランジン(PG)などの内因性生理活性物質による子宮の過収縮である.大部分の思春期の女児が,程度の差はあるが月経痛を訴えると思われるが,その20~30%では症状が強く,鎮痛薬が必要であったり,日常生活に支障が出たりする場合がある.
・月経痛がある場合は,まず器質性か機能性月経痛か鑑別することが重要である.器質性疾患を除外するためには,詳細な問診を行うとともに内診,超音波検査,MRI,CT検査,細菌検査,クラミジア検査などを行い,異常がなければ機能性月経痛と診断す