診療支援
治療

妊娠
pregnancy
光田信明
(大阪母子医療センター・副院長)

 妊娠は生理的現象の1つであり,妊娠したとしても病的状態とはみなされないので自費診療となる.医療機関での健診も自費であり,分娩も自費である.妊婦健康診査(妊健)は疾病に対する検査ではなく,スクリーニングである.顕性の合併症が判明している(した)場合には,それぞれの専門科と連携診療する.

●治療方針

A.異常妊娠・分娩

 健康保険給付の対象である.妊娠初期性器出血であれば,流産,異所性妊娠,絨毛疾患が主な異常妊娠であり,妊娠中期以降ならば,切迫早産,前置胎盤,胎盤早期剥離があげられる.そのほか前期破水,妊娠高血圧症候群(HDP:hypertensive disorders of pregnancy),FGR(fetal growth restriction),羊水過多・過少など多数の異常妊娠が存在する.

 ハイ・ロウリスク妊娠は存在するが,正常・異常妊娠を妊娠中に区別することは事実上できない.妊娠は

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