Ⅰ.遺尿症
●病態
・遺尿症(昼間遺尿症)は5歳児の約2%に認められ,年齢とともに減少する.学童期になってもみられる場合には,生活指導と治療が必要である.
・身体疾患のために昼間排尿の確立が遅れる場合があり,身体疾患の有無を確認することが必要である.例えば,二分脊椎など脊椎の疾患,先天性の腎膀胱奇形,尿崩症,糖尿病,尿路感染症,てんかん発作などがある.
●治療方針
治療としては生活習慣の指導と薬物療法がある.生活習慣の指導は,排尿時の中断訓練や排尿抑制訓練がある.排尿抑制訓練は,排尿を抑制して300mL程度膀胱に尿が貯められるようにする.
薬物療法は,抗コリン製剤であるオキシブチニン塩酸塩あるいはプロピベリン塩酸塩を服用する.また,脳下垂体ホルモンであるミニリンメルトがあるが,遺尿症には現在保険適応はない.
Px処方例 下記のいずれかを用いる.
➊ポラキス薬錠 体重25kg未満:1回2mg 1日1回,