診療支援
治療

自閉スペクトラム症,知的発達症
autism spectrum disorder(ASD)and intellectual developmental disorder(IDD)
松尾宗明
(佐賀大学小児科学・教授)

治療のポイント

・個々の子どもの特性についてよく理解しておくことが大切である.

・保護者の大変さを認めたうえでアドバイスする.

・教育的な対応,行動療法的アプローチが中心である.

・問題行動には必ず原因があると考え,まず環境調整を行う.

●病態

A.自閉スペクトラム症

・先天的な中枢神経系のネットワーク形成の問題に起因する情報処理の機能不全であり,多因子疾患と考えられている.

・DSM-5では,「A.社会的コミュニケーションおよび対人的相互交流の困難さ」と「B.限定された反復的な様式の行動,興味または活動」の2項目を満たすものとされる.

・スペクトラムとは連続体という意味で,自閉特性が重度の児から,軽度や定型発達の児まで連続しており境界線はない.また,合併する神経発達症(知的発達症,注意欠如・多動症など)や二次障害,成育環境,年齢などによっても影響され,個々の臨床像はかなり違いがある.

1.臨床像

・相手の状況

関連リンク

この記事は医学書院IDユーザー(会員)限定です。登録すると続きをお読みいただけます。

ログイン
icon up
あなたは医療従事者ですか?