治療のポイント
・一見特徴が弱くても,深刻な二次的問題を生じる可能性があることを念頭におく.
・本人への心理社会的対応,保護者への心理社会的対応,関連領域との連携を主軸に据える.
・本人への対応では,視覚的構造化によって発達促進と二次的問題予防の両立をはかる.
・保護者への対応では,ペアレントトレーニングなども活用する.
・薬物療法は,付随して生じることのある易刺激性への対症療法が中心となる.
●病態
・自閉スペクトラム症(ASD)のうち,知的能力障害のない(高機能;high-functioning)タイプおよび言語的コミュニケーションに異常のないタイプ(アスペルガー障害)について述べる.
・特徴をまとめると以下のようになる.
a)社会的コミュニケーションおよび対人的相互反応の持続的な欠陥がある
・ある程度の対人関係はとれるものの,相互的,共感的な関係が成立しにくい
・表情,身振り,視線などを用いた非言語