診療支援
治療

発達障害の思春期問題
problems in adolescents with neurodevelopmental disorders
小栗正幸
(特別支援教育ネット・代表)

 発達障害がある支援対象者への対応,なかでも思春期に外在化する二次障害への対応は,優れて教育的であることが治療的な対応であることと,ほぼ同義語の関係をなしている.ここでは,そうした状態の典型例である「反抗挑発症」への対応を中心に,支援困難な病態への教育的介入法を紹介する.

●病態

・この病態は,支援対象者の怒りが,周囲に著しい不快感を与えるものである.右といえば左と答える極度な天邪鬼,自分には悪いところはなく悪いのはすべて他者だという一方的な他者批判,それに伴う悪口雑言の数々.その「悪態」には,周囲からの不適切な対応(体罰など)を招きかねないものがある.

●治療方針

A.悪口雑言(悪態)への教育的介入

 悪口雑言に対しては「そんなことをいうべきではない」という真正面からの説諭ではなく,例えば「また心にもないことを」と支援対象者の不適切な言動の的を(肯定的に)外すようにする.そうすると真正面からの対応

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