診療支援
治療

薬物乱用
substance abuse
宮口幸治
(立命館大学大学院人間科学研究科・教授)

治療のポイント

・予防が最も大切なので患児の初期サインに注意を払う.

・身近な友人から入手することが多く,交友関係にも留意する.

・治療には薬物療法と心理療法を併用する.

・「乱用ダメ」でなく「なぜダメか」「なぜ乱用に至ったか」を一緒に考える.

・支援にあたっては患児の知的能力を考慮する.

・家族だけで抱え込まず地域資源と連携する.

●病態

・薬物乱用は,法律や社会規範から逸脱した目的や方法で,薬物依存症(耐性,離脱など)に至らない程度に使用することをいう.医薬品の乱用(酩酊や多量服薬など)も含まれる.

・主な薬物として,アヘン類(ヘロイン,モルヒネ塩酸塩),大麻類(マリファナ,ハシッシュ),鎮静剤または催眠剤,コカイン,カフェイン,アンフェタミン(覚せい剤),幻覚剤(LSD),メスカリン(MDMA),揮発性溶剤(トルエン)などがある.

・近年,中・高校生で薬物に対する抵抗感が薄れ,社会問題化している.女子少

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