「『あなたのそばにいますよ』のメッセージを伝えながら,子どもを育てる家族に寄り添いたいものである」,内海裕美医師(東京都文京区・吉村小児科)のこの一言が,筆者が育児支援にかかわるきっかけとなった.地域での育児支援において,対象は家族ばかりではない.子どもとかかわる園や学校もまた支援の対象になるであろう.
A.行政とタイアップした育児支援セミナー
2004年より,筆者は子育て中の親を対象として,行政と連携した形で2か月に1回,これまでに通算80回余りの育児支援セミナーを開催している.毎回テーマを決めた講話のあと質問タイムを設けている.参加者は5人程度のこぢんまりとした集まりで,参加者のほとんどは母親とその子どもである.テーマは「子どものスキンケア」や「発熱時の対応」など.専門的ではない,生活に役立つ内容を目指している.質問タイムでは「夜泣きが続いて困っている」「母乳が足りているのかわからない