診療支援
治療

学校保健の担当者
person in charge of school health
荒木田美香子
(川崎市立看護短期大学・教授)

 学校保健は,学校教育の円滑な実施に資することを目的としている.具体的には,学校保健安全法,学校教育法などに定められた担当者などが,学校保健計画や学校安全計画に基づいた活動を実施している.子どもの成長・発達に関係する問題が複雑化・多様化するなかで,学校保健においても教職員や関係専門職が連携し,「チームとしての学校」として機能していくことが求められている.

A.学校保健安全法に定められた担当者

 学校保健技師は,学校における保健管理に関する専門的事項について学識経験があるもので,都道府県の教育委員の事務局に置かれる.学校医,学校歯科医,学校薬剤師は,教育委員会から任命または委嘱される非常勤職員としての位置づけにある.

 校長は,当該学校の環境管理,学校保健および安全の確保全般に責任をもつ.養護教諭およびその他の職員(教員,事務職員を含む)は,健康相談,保健指導,救急処置などを行う役割をもつ.養護教諭は保健室を運営し,保健管理,保健教育,健康相談,保健組織活動など学校保健全般にかかわっている.

B.学校保健安全法に明記されていない担当者

1.学校内の教員が担う役割

 保健主事は,(学校教育法施行規則)各学校の指導教諭,教諭または養護教諭から選ばれる,いわゆる充て職である.役割としては,学校保健と学校全体の活動に関する調整や学校保健計画の作成,学校保健に関する組織活動の推進(学校保健委員会の運営)など学校保健の管理・運営を行う.

 学級担任は,子どもの成長発達が円滑かつ確実に進むように,学級を単位とした教育活動を行うことを役割としており,子どもの心身の健康管理も担っている.

2.専任教員

 栄養教諭は,学校教育法に位置づけられ,学校において子どもの栄養の指導および管理を司る役割を担っている.

3.非常勤の職員

 スクールカウンセラーは「スクールカウンセラー等活用事業」により文部科学省の補助が出され,配

関連リンク

この記事は医学書院IDユーザー(会員)限定です。登録すると続きをお読みいただけます。

ログイン
icon up
あなたは医療従事者ですか?