診療支援
治療

児童,生徒などの健康診断
health examination at school
藤本 保
(大分こども病院・院長)

A.学校における健康診断の目的と法的位置づけ

 学校における健康診断は,家庭における健康観察をふまえて,学校生活を送るにあたり支障があるかどうかについて疾病をスクリーニングし,健康状態を把握するとともに,学校における健康課題を明らかにして健康教育に資することである.児童,生徒などの健康診断は,学校教育法および学校保健安全法に基づいて行われ,毎学年定期に行う定期健康診断と必要があるとき臨時に行う臨時健康診断があり,これら健康診断の結果に基づき疾病の予防処置を行い,または治療を指示し,ならびに運動および作業を軽減するなど適切な措置をとらなければならないと定められている.

B.児童,生徒などの健康診断の実際

 「健康診断の方法及び技術的基準」などは,学校保健安全法施行規則(以後,施行規則)に詳細に規定されている.

1.定期健康診断

 毎学年,6月30日までに行うとされている.その具体的な方法や判定,留意事項,事後措置については日本学校保健会発行の「児童生徒等の健康診断マニュアル 平成27年度改訂版」に詳細に解説されており,検査項目および実施学年は,このマニュアルに一覧表で示されている.

2.臨時健康診断

 臨時に行う場合として,①感染症または食中毒の発生したとき,②風水害などにより感染症の発生のおそれのあるとき,③夏季における休業日の直後,④結核,寄生虫病そのほかの疾病の有無について検査を行う必要のあるとき,⑤卒業のとき,があげられている.

3.健康調査票の活用

 平成26(2014)年4月30日通知の「施行規則の一部改正等について」の公布により,平成28(2016)年4月1日から保健調査の時期を「小学校入学時および必要と認めるとき」から「小学校,中学校,高等学校,高等専門学校においては全学年(中等教育学校および特別支援学校の小学部,中学部,高等部を含む)に,幼稚園,大学においては必要と認めるとき

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