治療のポイント
・小児のO脚,X脚は生理的なものがほとんどであるが,生理的な状態であると判断するためには病的な状態を除外する必要がある.
・低リン血症性くる病のO脚は,保存的治療で治りにくい.また変形矯正手術を行っても再発率は高い.
・幼児型Blount病のX線所見は2歳以降に明確となることが多い.程度の強いO脚や片側の内反膝は2歳以降まで経過観察し,X線評価を行う必要がある.
・片側の外反膝は,骨系統疾患などの基礎疾患を疑う必要がある.
●病態
・通常,出生後から2歳前までは生理的にO脚の状態にあり,3歳頃にX脚は最も強くなる.その後X脚は徐々に改善して,6歳頃に成人以降と同様な軽度X脚の状態となるのが生理的な下肢アラインメントの経過である.
・O脚とは両側の内反膝を指し,X脚とは両側の外反膝を意味する.
・病的な所見はX線上大腿骨遠位骨幹端部や脛骨近位骨幹端部に現れやすい.1度の診察やX線評価のみでな