診療支援
治療

屈折異常
refractive errors
稗田 牧
(京都府立医科大学眼科学・講師)

●病態

・眼球は,角膜と水晶体という2つのレンズがあり,網膜という光を感じる膜(フィルム)が裏打ちしている(図1).

・調節力は,近くを見るために焦点を前方にずらす働きである.正視は,調節力を使っていない状態で平行光線(無限遠からの光)が網膜に焦点を結ぶ.それ以外の屈折異常は以下に分けられる.

・近視:平行光線が網膜より前で焦点を結ぶ.この原因は角膜から網膜までの距離が長いためである.遠方の視力は低下するが,球面レンズで矯正できる.

・遠視:調節力を使っていない状態で平行光線は網膜より後ろで焦点を結ぶ.調節力が不安定な遠視の幼児では,鮮明な像が網膜に結べない.このため視力発達が止まり「弱視」になる.

・乱視:角膜の縦方向と横方向のカーブが異なる状態で,円柱レンズで矯正できる.

●治療方針

A.就学前

 新生児は遠視で,小学校入学時にはほぼ正視となり,その後近視になっていく.

 幼児では左右の屈折度数が大き

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