診療支援
治療

角膜混濁
corneal opacity
外園千恵
(京都府立医科大学眼科学・教授)

●病態

・生下時より混濁がみられる先天性の角膜混濁と,感染や外傷などで生じる後天性の角膜混濁に大別される.

・先天性の角膜混濁は,発生異常〔Peters(ペータース)異常,強膜化角膜,Axenfeld-Rieger(アクセンフェルト・リーガー)症候群など〕,変性症(先天性遺伝性角膜内皮変性症など),代謝異常(ムコ多糖症などのライソゾーム病),早期発達緑内障,腫瘍性疾患(輪部デルモイド)がある.所見に左右差を認めることもあるが,腫瘍性疾患以外は基本的に両眼性である.

・後天性の角膜混濁は,角膜ヘルペス,細菌感染,外傷などが原因となる.多くが片眼性である.

・思春期以降に円錐角膜,角膜ジストロフィーやコンタクトレンズ関連角膜感染症がみられる.

A.検査

 先天性の角膜混濁により,前房,隅角,虹彩などの所見を得られない場合に,超音波生体顕微鏡(UBM:ultrasound biomicroscopy)を用い

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