●病態
・水晶体に混濁があるものを白内障という.小児期に生じる白内障全体を小児白内障とよび,生直後に白内障が存在している場合を先天白内障,それ以後に進行してくる白内障を発達白内障とする.
・原因を特定できないことも多いが,遺伝的素因,代謝異常〔ホモシスチン尿症,ガラクトース血症,Lowe(ロウ)症候群,Alport(アルポート)症候群など〕,染色体異常〔Down(ダウン)症候群など〕,胎内感染(風疹,トキソプラズマ,ヘルペス・サイトメガロウイルスなど)などの全身疾患に伴って生じる場合があり,小児白内障を診たときには全身疾患のスクリーニングが必要である.小角膜,小眼球,第一次硝子体過形成遺残,虹彩低形成などの眼疾患を合併していることもある.
・混濁の程度が強いと,視覚刺激が遮断され弱視を引き起こすため,早急な治療が必要である.遺伝歴や全身疾患のある場合を除くと,眼振・視線が定まらない(両眼性),斜