●病態
・虹彩,毛様体,脈絡膜のいずれか,あるいはすべてに炎症が生じた際に用いられる病名であるが,眼内に生じた炎症はすべてぶどう膜炎(uveitis)とよぶ傾向にある.
・成人同様,小児ぶどう膜炎も原因は不明のことが多く,全体の50~70%は固有の診断名すらつけることができない.成人に多くみられるサルコイドーシス,Vogt-小柳-原田病も小児ではまれで,同定(分類)可能な疾患としては川崎病,若年性特発性関節炎(JIA:juvenile idiopathic arthritis),JIAのぶどう膜炎と同様の眼所見を呈しながら関節症状のない,いわゆるiridocyclitis in young girlsなどが代表的な疾患となる.
・成人のぶどう膜炎でも全体の15%程度にすぎない感染性ぶどう膜炎は小児ではさらにまれで,多くは非感染性の炎症である.
・小児ぶどう膜炎では症状の訴えは期待できず,充血を伴う