●病態
・精神的ストレスなどが原因となって視力検査ができない状態を指し,器質的な疾患を認めない.学校健診などの視力検査がきっかけで発見されることが多い.
・携帯やテレビを見たり食事をしたりなど,日常生活で不便を感じているような素振りを認めることはないが,いざ視力検査となると裸眼視力が0.1~0.2などきわめて不良で,日常生活の態度と視力測定の結果に乖離を認める.
・小児期や思春期に多くみられ,女児が男児より2~4倍多い.一般的に両眼性で半年から1年で改善し,予後は良好とされている.
・視力障害で発症することが最も多いが,視野障害(求心性視野狭窄,らせん状視野,管状視野など),色覚異常,調節麻痺などを訴えることもある.
●治療方針
実際は器質的疾患が潜んでいたにもかかわらず,安易に心因性視覚障害と診断しないよう注意を要する.眼球・視神経・視交叉・視索・外側膝状体・視放線・後頭葉といった視路に障害がない