診療支援
治療

頸部の腫瘍性疾患
pediatric head and neck masses
塚原清彰
(東京医科大学耳鼻咽喉科・頭頸部外科学・主任教授)

●病態

・先天性,腫瘍性がある.また腫瘍性疾患ではないが,炎症性に頸部リンパ節などが腫脹した場合,腫瘍との鑑別を要する.成人と同様,CT,MRI,超音波などの画像検査,場合により穿刺細胞診,組織診を行い診断する.

・先天性には,正中頸嚢胞,側頸嚢胞,下咽頭梨状陥凹瘻,血管腫,血管奇形,リンパ管奇形などがある.

・良性腫瘍には,がま腫,類表皮嚢胞,類皮嚢胞,神経鞘腫,好酸球性肉芽腫などがある.悪性腫瘍には,甲状腺癌,上咽頭癌,唾液腺癌,肉腫などがある.

・炎症性には,Epstein-Barrウイルスなどによるウイルス性頸部リンパ節炎,亜急性壊死性リンパ節炎,川崎病に伴うリンパ節腫大,反復性耳下腺炎などがある.

●治療方針

A.先天性疾患

1.正中頸嚢胞,側頸嚢胞

 正中頸嚢胞は甲状舌管,側頸嚢胞は主に第2鰓裂由来の胎生期遺残組織由来である.画像検査で正中,または側頸部に嚢胞病変が描出される.整容的問題や感染

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