●病態
・医学的,身体的,精神的もしくは情緒的な能力障害がある障害児は,口腔衛生の維持や通常の歯科医療の受診にあたり以下の問題点がある.
a)歯科医療への協力性の問題:知的能力障害や発達障害などにより患児の理解やコミュニケーションが困難な場合や,視覚・聴覚障害による情報伝達が難しい場合
b)運動・姿勢制御の問題:脳性麻痺,筋ジストロフィー,脊髄損傷などがあり身体の静止,姿勢保持,動作転換などが難しく,通常の歯科治療の受診や自己の口腔衛生管理が困難な場合
c)医学的リスクの問題:歯科医療上の侵襲もしくは刺激が加わることにより,生理的機能に異常を起こし,症状の悪化や偶発症が予想できる場合
d)環境因子の問題:生活環境が医療,ことに歯科医療に不利な状況にあり,患児と医療との接点や,口腔衛生の維持不能による口腔疾患の悪化に結びつく場合
●治療方針
A.患児,保護者のニーズの把握
医療面接や患児の観察から