診療支援
治療

訪問看護,訪問リハビリテーション・通所施設との連携
宮田章子
(さいわいこどもクリニック・院長(東京))

 病院から退院し自宅で生活を始める医療的ケア児は,日常の医療的ケア量の多さと家族とともに暮らすということで,入院中は想像できなかったさまざまな問題にぶつかる.医療保険で行える地域の医療系サービスは,訪問診療だけでなく訪問看護師,訪問リハビリテーション,訪問薬剤管理などがあり,ケアの開始には医師の指示書が必要である.その他の福祉資源とも連携し,健康状態の維持に大きな役割を果たす.

A.訪問看護の役割

 医師にとって訪問看護との連携なくして在宅診療は行えない.1992年に制度化された訪問看護ステーションは,医療機関から独立して訪問看護を提供する事業所として位置づけられた.しかし小児看護の特殊性と経済効率の理由から,訪問看護ステーションの約半数は子どもの看護を行っていないという実態がある.小児の訪問看護には,子どもが必要とする医療について知識と技術をもち,個々の生活に合わせた看護を実践できるということと,家族と良好なコミュニケーションをとりながら子どもの成長・発達のみならず,家族全体の成長を促す配慮が欠かせない.

 またコーディネーターの数・質の整備が十分でないため,日常の状態が的確に把握できる訪問看護師が医師と協働し,ケア全体をマネジメントする立場となる状況もある.ケアマネジメントも含んだ総合的な看護力も要求される.

B.訪問リハビリテーション(理学療法士,作業療法士,言語聴覚士)の役割

 小児は高齢者と異なり成長,発達することから,リハビリテーションにおいては機能を新たに獲得するための支援という目的ももつため,在宅移行後も継続することが重要である.特に医療的ケアを受けている場合,動きの制限が多いことから運動発達の促進や,拘縮予防,呼吸リハビリテーションの必要性は高く,医師は的確に児の評価をしてリハビリテーションの指示を出さなければならない.

 在宅医療での理学療法は最近増加しているものの

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