診療支援
治療

病院と在宅医との連携
中村知夫
(国立成育医療研究センター在宅医療支援室・室長)

 小児在宅医療において,患児が地域で安心して暮らしていくためには,病院主治医と在宅医との連携は非常に重要な医療的な支援である.以下,病院主治医と在宅医との連携の際の注意すべき内容と,役割分担を中心に概説する.

A.連携の実際

1.病院と在宅医との連携の基本的な考え方

 病院主治医と在宅医との連携を考える際の最も重要なことは,この連携が在宅医療を受けている子どもと家族にどのような利益があるかを,訪問診療を受ける子どもと家族,そして医療者が十分に理解していることである.

 病院小児科の医師は,患児を依頼する際には在宅診療の仕組みを十分に理解し,患児の病態,看取りも含めた今後の治療方針,患児・家族の思いを在宅医に伝えるとともに,明確な役割分担,責任分担を病院小児科医と在宅医が行うことで,患児・家族の医療内容に関する戸惑いや混乱を回避することができ,在宅医との建設的な関係性を構築できる.

2.地域の在宅医を

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