診療支援
治療

在宅での経管栄養の管理(経鼻チューブ,胃瘻,EDチューブ)
小沢 浩
(島田療育センターはちおうじ神経小児科・所長(東京))

 医学の進歩を背景として,長期入院をしたあと,引き続き人工呼吸器や胃瘻などを使用し,痰の吸引や経管栄養などの医療的ケアが在宅で必要な医療的ケア児が増加している.また教員,介護福祉士などもある一定の条件のもと吸引や経管栄養の医療的ケアを行うことができるようになり,その普及における医療の役割は大きく,指導する機会も多くなっている.

 患児・家族には,注入トラブルの防止と合併症の早期発見のための指導を行い,複数の家族が手技を覚え,注入を行えるようにすることが大切である.本項では経鼻チューブ,胃瘻,ED(elemental diet)チューブの注意点を中心に解説し,指導におけるポイントを示す.

A.経鼻胃チューブ

 鼻から胃内にチューブを入れる方法である.1回入れると長期管理が可能で,睡眠中でも栄養や水分を入れることができる.

 a)手を洗う.

 b)チューブの挿入する長さを決める.経鼻の場合は「耳-鼻-みぞおち」,口からの場合は「口-みぞおち」の距離を測定して,マジックでチューブの全周に印をつける.

 c)子どもを仰向けにし,頭を軽く前屈させる.

 d)チューブの先を潤滑油(食用油や水)で湿らせ,印をつけたところまでゆっくり挿入する.

 注意点は①空腹時に行う,②気管の誤挿入に注意しないと咳込みや呼吸が苦しくなる,③チューブが口腔内で巻いていないことを確認することである.

B.胃瘻

 腹壁と胃壁に穴(胃瘻)を開け,経管栄養を行うためのチューブを留置して栄養を入れる方法である.

 a)手を洗う.

 b)子どもの状態にあった体位にする.

 c)(ボタン型の場合)ボタンに接続チューブを接続する.

 d)チューブからカテーテルチップで吸引して,胃の内容物がないか確認する.内容物の性状・量により,きれいなものはそのまま戻し,緑色,茶色などのときは医師に相談する.

 e)チューブと栄養管を接続し,子どもに合わせた速度で栄

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