診療支援
薬剤

ペロスピロン塩酸塩水和物新様式H運転×
1179
perospirone hydrochloride hydrate
ルーラン Lullan(住友)
 :4・8・16mg
ペロスピロン塩酸塩(4・8・16 共和)

適応

統合失調症

用法

1回4mg1日3回より始め,徐々に増量 維持1日12~48mg分3(増減) ►1日量は48mgを超えない

禁忌

1)昏睡状態(悪化)

2)バルビツール酸誘導体等中枢神経抑制薬の強い影響下(中枢神経抑制作用が増強)

3)過敏症

4)アドレナリン投与中(アナフィラキシーの救急治療を除く)

注意

〈基本〉

①悪性症候群の発現に伴いCK上昇,又,本剤によりCK上昇→異常の際は中止等処置.尚,他の抗精神病薬で,急激な増量により悪性症候群の報告

➋眠気,注意力・集中力・反射運動能力等の低下→運転不可

③興奮,非協調性,緊張,衝動性の調節障害等の陽性症状悪化→悪化の際は他の治療法に切り替え等処置

④動物で制吐作用を有することから,他の薬剤に基づく中毒,腸閉塞,脳腫瘍等による嘔吐症状を不顕性化→注意

➎高血糖・糖尿病の悪化から糖尿病性ケトアシドーシス,糖尿病性昏睡→患者及び家族に十分に説明し,口渇,多飲,多尿,頻尿等の症状があればすぐに投与中止し医師の診察を受けるよう指導.特に糖尿病又はその既往歴或いはその危険因子では血糖値測定等観察を十分に

〈適用上〉

➊薬剤交付時の注意:本剤の吸収は食事の影響を受けやすいので,食後に服用するよう指導

〈その他〉

①本剤による治療中原因不明の突然死の報告

②(外国)認知症関連高齢患者を対象とした試験でプラセボ群と比して死亡率が1.6~1.7倍高かったとの報告

③ヒトにおけるプロラクチン上昇と腫瘍発生との関連については不明確だが,疫学調査では,ヒトにおけるこの種の薬剤の長期間投与と腫瘍発生との関連性は示されていない

患者背景

〈合併・既往〉

①心・血管疾患,低血圧,又はそれらの疑い(一過性の血圧降下)

②パーキンソン病又はレビー小体型認知症(錐体外路症状悪化)

③てんかん等痙攣性疾患,又はこれらの既往歴(痙攣閾値低下)

④脱水・栄養不良状態等を伴う身体的疲弊(悪性症候群が起こりやすい)

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