適応
パーキンソン症候群 注意抗パーキンソン薬は,フェノチアジン系薬剤,レセルピン誘導体等による口周部等の不随意運動(遅発性ジスキネジア)を通常軽減しない.場合によってはこのような症状を増悪顕性化あり注意
用法
1日6~12mg 分3(増減)
禁忌
1)閉塞隅角緑内障
2)過敏症
3)重症筋無力症(抗コリン作用のため,筋緊張低下がみられ,症状悪化のおそれ)
4)前立腺肥大等の尿路に閉塞性疾患(抗コリン作用のため,排尿筋の弛緩と膀胱括約筋の収縮がみられ,排尿障害を悪化させるおそれ)
注意
〈基本〉
①投与中は定期的に隅角検査及び眼圧検査を行うことが望ましい
➋眠気,視調節障害,注意力・集中力・反射機能等の低下→運転不可
患者背景
〈合併・既往〉
①開放隅角緑内障(抗コリン作用で眼圧上昇し症状悪化)
②不整脈又は頻拍傾向(抗コリン作用のため,心機能亢進を来し症状悪化のおそれ)
③高温環境(抗コリン作用のため発汗抑制が起こり易い)
④三環系抗うつ薬に過敏症の既往歴
⑤胃腸管に閉塞性疾患(抗コリン作用のため,消化管の緊張を低下させ症状悪化のおそれ)
⑥脱水・栄養不良状態等を伴う身体的疲弊(悪性症候群が起こり易い)
〈腎〉腎障害(代謝・排泄機能が低下しているため副作用が起こり易い) 〈肝〉肝障害(代謝・排泄機能が低下しているため副作用が起こり易い)
〈妊婦〉有益のみ 〈授乳婦〉有益性を考慮して継続または中止 〈小児〉有益のみ(臨床試験は未実施) 〈高齢〉せん妄,不安等の精神症状,抗コリン作用による口渇,排尿困難,便秘等が現れ易い
相互
〈併用注意〉
1)抗コリン作用を有する薬剤(フェノチアジン系薬剤,三環系抗うつ薬等):腸管麻痺(食欲不振,悪心・嘔吐,著しい便秘,腹部膨満或いは弛緩及び腸内容物のうっ滞等)を来し,麻痺性イレウスへ移行するおそれ(併用により相互に抗コリン作用増強)→腸管麻痺が現れた場合は中止.尚,この悪心・嘔吐はフェノ